2022年 大人、子どもの好きな野菜は?

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タキイ種苗(京都市下京区)は、8月31日「やさいの日」を前に全国の20歳以上の男女600人を対象に「2022年度 野菜と家庭菜園に関する調査」を8月24日に公表しました。調査の結果から大人と子どもがどんな野菜を好んでいるのか見ていきたいと思います。

大人、子どもともに最近話題になったあの野菜が1位に輝きました。

好きな野菜ランキング~大人編~

「あなたは野菜が好きですか」に対し、好きか嫌いかで回答。

野菜の好きな大人が多くてよかったです。

大好きが40・5%、どちらかといえば好きが49・5%で、全体の90%が「好き」と回答しました。4年連続で9割を超えました。品目を絞らなければ、大人は何かしらの野菜が好きということが分かります。

「好きな野菜(複数回答可)」について回答。

単位は%。右端は前年比で▲はマイナス

今年はジャガイモが76%で1位になりました。支持された理由は「おいしい」が93・8%、「ジャガイモを使った料理が好き」が43・8%、「料理がしやすい」も43・8%でした。

新型コロナ感染拡大の影響で自宅で料理を作る機会が増える中、料理レパートリーが多く、比較的簡単に加工できることから人気を博したようです。その他、ここ最近はさまざまなポテトチップスの販売が相次いでいます。高級系や、分厚くサクッと触感のものなどさまざまです。新商品の発売も後押しになっていると思います。

また、昨年から今年の冬にかけて、北米からの輸入が滞り、みんな大好きマクドナルドのポテトが食べられなくなる「ポテトショック」が起きました。世間を賑わす話題が多かったため、上位ランクインしたのかもしれません。

2位はタマネギで73・7%、3位はキャベツの73%でした。過去12回首位だったトマトは4位に下げました。圧倒的首位だったトマトが大きく順位を下げている点を見ると、生活様式が変化した中で評価する基準が変化したと考えられます。

好きな野菜ランキング~子ども編~

12歳以下の子どもがいる方に「あなたのお子さまが野菜が好きですか」と質問。好きか嫌いかで回答。

子どもは野菜が嫌いなイメージでしたが、半分は好きだと思ってくれているようです。

大好きが15・1%、どちらかといえば好きが43・7%で、全体の58・8%が「好き」と回答しました。19年~21年の調査では全体の約64%が「好き」だったため、やや減少しました。

大人に比べて子どもが野菜を好まないことが分かります。

「好きな野菜(複数回答)」について回答。

単位は%

大人と同様、ジャガイモが56・8%で1位となりました。好きな理由は「おいしい」が75・9%、「ジャガイモを使った料理が好き」が37・9%、「食感が好き」が24・1%、「食べごたえがある」が17・2%でした。

大人が好むため、家庭で食べる機会が増えた結果、親が喜んでいる姿を見ての結果。日本の農畜産物は品質が高くおいしいので、大人がどんなものを子どもに食べさせるかで好みは変わるように感じます。親が食べないものは子どももたべないため、食育は大切だと考えさせられました。

2位がサツマイモで54・7%、3位がトマトで48・4%、4位がトウモロコシで46・9%でした。子どもは甘い食べ物を好むようです。

嫌いな野菜ランキング~大人編~

嫌いな野菜について質問しました。特にないや品目を回答。「嫌いな野菜は特にない」が、33・5%と最多でした。

単位は%。右端は前年比で▲はマイナス

品目で見ると、1位が「セロリ」が27・2%。嫌いな理由は「味が苦手」が91・5%、「匂いが苦手」が49・3%でした。

次いで「ゴーヤ」が24・5%となりました。2017年以降連続トップ2で苦手意識の強い野菜です。個人的にゴーヤチャンプルは家で作るくらい好きなのですが・・笑  

3位は「ケール」で18・5%です。

嫌いな野菜ランキング~子ども編~

12歳以下の子どもがいる方に「子どもが嫌いな野菜」について質問。

単位は%

「特に嫌いな野菜はない」が17・7%と回答しました。意外と多い?

品目をみると1位は「トウガラシ」「ゴーヤ」の34・4%。3位は「セロリ」の32・8%でした。辛みや苦みが苦手なようです。トウガラシを嫌いな理由は「味が苦手」が84・8%でした。

あとがき 糖度主義は舌が幼稚?

私はこのランキングを見て、子どもが甘いものを好むという点がとても気になりました。

というのも、近年は果菜類や果物類で糖度の高さが消費者に好まれています。ブドウなら甘い「シャインマスカット」が生産や販売を伸ばす中で、酸味のある「巨峰」や「ピオーネ」の生産が減少しています。梨なら酸味のある「豊水」が減少、ミカンでは温州ミカンが減り、甘みのある中晩柑類が生産を増やしています。トマトも糖度を高めるために水を極限まで与えなかったり、サツマイモはねっとりした「べにはるか」などが人気を高めています。

これまでになかった品種で、上記に出した品種はおいしいことは確かです。ですが、ブドウを例に挙げると、よく果物を食べるものとしては酸味のある「巨峰」や「ピオーネ」の方が私は好きです。梨の生産者も「豊(豊水)が一番好き」といっていました。果物をよく食べる方ならなんとなく感じていることではないでしょうか。

つまり言いたいことは、今の消費者は舌が幼稚なのではないかということです。

最初においしく感じるのは食べやすい甘さのあるもの。そして、多く食べる過程で酸味のあるものへシフトしていくものが流れだと思います。それは大人から子どもになることで味覚が変化することが影響していると考えています。

しかし、家庭で果物を食べる習慣のなかった人が増えています。そのため食べやすい甘いものを好むということが糖度の高さが好まれる一因だと考えます。国としても、品種改良は糖度の高いものの開発を進めているそうです。

糖度の高い品種を経験し、国内全体の農産物消費が増え、結果的に酸味のある品種にもより注目が集まることを期待したいです。個人では微力ですが、生産が維持されるように好きな品種を食べたいなと思いました。

「2022年度 野菜と家庭菜園に関する調査」

2022年7月4日~7日にかけて、20歳以上の男女600人(農業関連従業者、食料・飲料(酒類除く)の卸売・小売業従業者除く)にインターネット経由で調査。野菜にまつわるイメージ評価や、家庭菜園への関心や実施状況、野菜摂取目標量の認知率と実践などについて聞いた。

この記事を書いた人

農業界に一石を投じようと、脱サラした20代。
「産地統一」という無謀すぎる目標を掲げて産地に乗り込む。
地域おこし協力隊という制度の元、研修中。2025年10月からの独立に向けて栽培技術・経営を学ぶ。
理解=説明可能
アウトプットの場としてブログを書いています。

※イニシャルDに登場する「PROJECT.D」のオマージュです。

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