コメ消費量の落ち込みが続く中、長引く新型コロナウイルスの影響によって外食需要の落ち込みなども重なり、値下がりが続いています。
スーパーでも安く売られるコメを見かけることが増えました。新米で5キロ1700円や令和3年産であれば1000円で売られているものもありました。
ところが、コメの値下がりを知らないだけでなく、「値上がり傾向」と感じている人がいると明らかになりました。
今回は、タイガー魔法瓶株式会社が9月27日と10月13日に公表した「物価高騰に伴う家庭の食卓の変化に関する調査」※より、家庭でのコメの消費動向について見ていきたいと思います。
・近年のコメの値下がりはこちらでまとめています。(農業物価指数を基に作成)
野菜の物価指数 資材高騰分を転嫁できているのか | うまいもん事典 (msy272.com)
令和3年産米の令和4年8月の相対取引価格は、出回りからの年産平均価格は前年産▲1,694円の12,835円/60kg。
農林水産省「米に関するマンスリーレポート」(令和4年10月号)より
料理習慣のある20~60代の男女の7割が値下がり傾向を知らず
- 「2020年以降、コメの価格が値下がり傾向であることを知っていましたか」という問いに対し、「はい」か「いいえ」で回答。

68・6%が「いいえ」と回答。料理習慣があるということは、食材を自分で買いに行く人も多い可能性が高いですが、それでも値下がり傾向であることを知らないようです。
さまざまなものが値上げ傾向の中で、逆に値段が下がっているとは考えないのかもしれません。スーパーのチラシを見ていると、特売として扱われていることもあるので「コメそのものが安くなっている」とは考えていないのでしょうか。
- 「昨年に比べて、コメの価格変化について感じていることはどれですか」という問いに対し、「高くなっている」か「安くなっている」で回答。

なんと、29%が高くなっていると回答しました。他の商品と同様に値上がりしていると考えているようです。農家からの直売で、生産コスト上昇分を上乗せした価格のコメを買っているとかならいいのですが・・・。
小麦価格の高騰でコメ消費を増やしたい人は7割
安く感じていない一方で、小麦に代わってコメの消費を増やしたいと考えている人は増えているようです。
- 「小麦などコメ以外の穀物が値上がりしているいま、コメを食べる量を増やしたいと思いますか」という問いに対し、「はい」か「いいえ」で回答。

70・7%が「増やしたい」と答えました。
- ところが、「パンや麺の値上げの影響で、主食にコメが増えましたか」という問いでは

24・1%のみが「増えた」でした。7割近くの人は「変わらない」と回答し、行動に移していないことが分かりました。
- コメの消費量拡大に向けて取り組んでいることは、

43・1%が「ごはんが進むようなおかずづくりを行う」、35・8%が「炊いたごはんを冷凍(保存)して食べる」、35・3%が「ごはんをメインとしたごはんもの料理をつくる」でした。
コメ消費拡大に向けては、コメが進む料理、またはたくさん使う料理の提案が不可欠のようです。安いから食べてもらおうではなく、コメを思わず食べたくなるレシピの発信が重要に感じました。
まとめ
- コメの値下がりを約7割が知らない
- 3割は値上がりしていると感じている
- コメの消費を増やしたいと考えているのは7割
- 一方で、行動しているのは3割
消費者が「思っている」ことを、行動に移してもらうきっかけ作りがコメ消費拡大の一手かもしれません。
※「物価高騰に伴う家庭の食卓の変化に関する調査
タイガー魔法瓶株式会社、2022年9月7~8日に週に4回以上料理する20~50代の男女328人に対して、インターネット経由で調査した。
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