果物・野菜を食べれば死亡リスクが下がる!?

ニュース

国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都中央区)と横浜市立大学(横浜市)などで構成される研究グループがコホート研究で調査した結果、果物・野菜摂取量が少ないグループに比べ、果物摂取量が多いグループでは全死亡リスクが約8-9%、心臓血管死亡リスクが約9%低く、野菜摂取量が多いグループでは全死亡リスクが約7-8%低いことがわかりました

1990年と1993年の研究開始から5年後に行った食物摂取頻度調査票に回答し、がん、循環器疾患、肝疾患になっていなかった約9万5千人を、2018年まで追跡した調査です。

「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」※の内容について、詳しくみていきたいと思います。

多いって、どれくらい食べればいいの?

多く食べれば死亡リスクが下がるのは分かった。じゃあどれくらい食べればいいんだ。ということですが、

今回の研究で用いた調査票から得られた結果を、一部の集団の詳細な食事記録の摂取量に当てはめると

推定値で1日菜が300グラム以上、果物は140グラム以上

食べることが望ましいそうです。

野菜300グラムはサツマイモ2本分くらい、果物150グラムは大きめのリンゴ半分くらいかと思います。

コホート研究とは

今回の調査で用いた「コホート研究」とは、特定の要因に影響を受けた集団と受けていない集団を一定期間追跡し、疾患の罹患率や死亡率を比較して要因と疾患の関連性を調べる観察研究のことです。

他の観察研究に比べて時間とコストがかかりますが、曝露要(原因)と疾病の罹患や発症(結果)を時間の流れに沿って追跡するため、因果関係を明らかにする手法としてより望ましい手法です。

今回の事例に当てはめると

疾患や罹患率、死亡率(結果)を野菜を多く食べる人、果物を多く食べる(原因)人とそれぞれ少ない人(原因)で比較したということです。

果物摂取で全死亡リスクが8-9%、心臓血管が9%低い

2022年9月5日に国立研究開発法人国立がん研究センター、横浜市立大学が公表した資料より作成

ハザード比の基準は摂取が最も少ないグループ(第1・5分位)です。

以下、ハザード比について引用します。

ハザード比とは何ですか?
ハザード比(HR:Hezard Ratio)とは、臨床試験に関する統計学の用語です。ハザード比は、相対的な危険度を客観的に比較する方法で、例えば「試験品を飲用するとどのくらい有効か」ということを確認する場合に用いられます。
新商品Aと既存品Bを比較した場合、ハザード比が1であれば、2つの商品の効果に差がないということです。また、ハザード比が1未満であればAの方が有効であり、数値が小さければ小さいほど有効とされます
具体的には2つの群の間におけるインフルエンザの罹患率を例とすると、ハザード比が1の場合はインフルエンザの罹りやすさが両群で同じということを示します。1より大きければインフルエンザへの罹りやすさがある群でより高いことを意味します。 逆に比が1より小さければある群においてインフルエンザに罹りにくいことを意味します。

免疫分析センター株式会社より ハザード比とは何ですか? – 免疫分析研究センター株式会社 (menekibunseki.com)

ということです。

1を下回っているため野菜の摂取は死亡リスクが低いということが分かります。

果物を多く食べることで、全死亡リスクが約8~9%低いという結果でした。

ただ、食べれば食べるほどリスクが下がるわけではないようです。

果物を食べれば死亡リスクが下がるというのは朗報ですね、いくらでも食べられます笑

原因別では、がん・心血管・呼吸器の3種を公表しています。それぞれグラフにします。

関連性が認められたのは心血管死亡についてです。

果物を多く食べることで、心臓血管死亡のリスクが約9%低いという結果が出ました。

以下は関連性が求められませんでした。

がんと同じ結果です

ちなみに男女別で見ると、男性の場合呼吸器死亡のハザード比が低い傾向で、女性の場合は心血管死亡のハザード比が低い傾向を認めました。

野菜摂取で全死亡リスクが7-8%低い

野菜も効果があります

野菜を多く食べることで全死亡リスクが約7~8%低いという結果でした。

野菜についても、多く食べれば食べるほど効果が出るわけではありませんが、多い方がリスクが下がることが分かります。

「健康のために」と多く野菜をとることは死亡リスクを下げます。間違っていない対策方法だということが分かりました。でも無理に野菜を食べるなら、果物をたくさん食べた方がいいですね!

野菜は、がん・心血管・呼吸器についての関連は認められませんでした。参考としてグラフを掲載します。

最も少ない人よりもリスクが高いところがあります
がんと同じ結果になっています
一番多く食べている人たちが、多く食べる人達の中で一番リスクが高いです

男女別でも優位性はありませんでした。

あとがき

野菜と果物には、ビタミン・ミネラル・食物繊維・ポリフェノールなどが多く含まれています。欧米人向けに行われた過去のコホート研究では、全死因による死亡や、がん・呼吸器疾病関連のによる死亡リスクが低いことが報告されています。

しかし、今回の研究では認められませんでした。

今回の研究の中で、呼吸器疾患患者が少なかったことや、欧米人と比較してがんの罹患率が異なることやアジア人はがんの原因に感染症が多いことなどから野菜や果物の摂取との関連が認められなかった可能性があります。中国のコホート研究でも、がんの関連性は認められなかったそうです。人種差がある可能性が考えられます。

いずれにせよ、野菜や果物を多く食べることは健康につながります

意識して、一食に小鉢1つでも野菜を加えていくことから始めようと思います。

※「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」

1990年と1993年に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、東京都葛飾区、茨城県水戸市、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の11保健所にお住まいだった40〜69歳の方を対象に調査した。

この記事を書いた人

農業の統計、新規就農を目指す中で学んだことを紹介|「なるほど」「ためになる」「食べたいな」と思ってもらえるように記事を書いていきます|大阪出身、東京育ち|同志社大学→日本農業新聞 記者4年→2023年4月より茨城県下妻市地域おこし協力隊(イマココ)→梨農家へ|脱サラし0(ゼロ)から独立を目指す26歳|メディア掲載・産経新聞

ふなつまさやをフォローする
ニュースホーム
ふなつまさやをフォローする
うまいもん事典

コメント

タイトルとURLをコピーしました