さまざまな果物で新品種が登場しています。果物の生産現場では、主力品種から新品種へ交代したものや、今後交代を促していく方針を打ち出したものもあります。
生産者が品種を変える際に気にするのは、もちろん単価や需要。
それに加えて、栽培の手間がかかりにくいという点も重要です。
高齢化や後継者不足で担い手が減少する中、手間のかかりにくい品種の導入で販売量を維持しようと取り組んでいます。
そんな選ばれた果物を紹介します。
イチゴ「とちあいか」
「とちあいか」は栃木県が開発し、2020年から流通が始まりました。最初は「栃木i37号」として、高級果実専門店や百貨店を中心に販売されていました。1パック1000円を超えていましたが、おいしくて何度も買ってしましました。
そんなデビューしたばかりの品種ですが、栃木県では栽培面積の8割を占める主力の「とちおとめ」からの転換を進めています。
2027年には「とちあいか」を生産面積の8割を占める主力品種に位置付けていきます。
その理由は、耐病性と収量です。
現在主力の「とちおとめ」より病害に強い上、10アール当たりの収量も3割多いです。
また、大粒なため摘み取る手間やパックに詰める手間も省かれるといった利点もあります。
ブドウ「シャインマスカット」
いわずと知れた、大人気品種「シャインマスカット」
消費者からの需要が高いのはもちろんですが、生産者側にもメリットがたくさんあります。
病害に強いため管理しやすいです。また、「ピオーネ」や「巨峰」の場合、天候によって上手く色を付けられないことがありますが、「シャインマスカット」は着色不良の心配がありません。
また、近年は輸出に力を入れています。ブドウの輸送で問題になるのが玉が枝から外れることですが、「シャインマスカット」は比較的外れにくいので輸送にも適しています。
人気な上、ほかのブドウに比べて管理しやすく、単価も高いとなれば必然的に生産者が増えるのは当然ですね。
リンゴ「王林」「シナノゴールド」
リンゴで手間がかかるのは着色。きれいに色づけるため全体に日が当たるように玉を回す作業などがあります。
その手間を省くため、「王林」「シナノゴールド」など、色づけの要らない黄色種の作付けが増えています。農林水産省の調査をもとに黄色種の栽培面積の割合をみると、2019年は14.7%。2009年と比べて2%増でした。
香港や台湾などアジア圏では、日本の黄色系品種は「珍しい」「おいしい」の2点から人気が高いです。
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